第3章 亡者の戦慄

第1節 幽霊の憂鬱

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GM 「でわ、さっそくプレイを始めましょう」
ナイトセイバー 「今回は、ツィックラーのプレイヤーがマスターだな」
GM 「そうです、ツィックラー君は今日はNPCです。でここまでのあらすじは・・・前回ゲームマスターだったナイトセイバー君どうぞ(笑)」
ナイトセイバー 「俺かよ。えーと古代の炎竜の遺跡を見つけて、ミイラを見つけて、アイテムを見つけた、その中に【ビジュレイの指輪】というなんだかすごそうな指輪を見つけたと」
ミアータ 「それが前々回のお話だね」
ナイトセイバー 「そして、その指輪のことを、調べるために旅に出ようとしていた所で、その指輪を狙った狂信的な魔法集団に襲われ、その戦いの中でギャバンは死んでしまったと」
ギャバン 「ぬわぁああ~・・・」
ミアータ 「で、ヨセリルから【リザレクション(死者蘇生の魔法)】が使える、ルート司祭長と宰相ガルギュライザーの紹介状を貰いました」
GM 「そういう事で、ギャバンを復活させる為に、二人の神官がいる首都のテーベに向かっているわけですが、まだ移動の途中です」
ナイトセイバー 「それは、おっさんが死んでからどれくらいのこと?」
GM 「2日って所です」
ナイトセイバー 「死体は腐ったりしないのか?それに日にちが経てば経つほど復活って難しいんだよね」
GM 「前回お世話してもらった魔法使いの人から、腐食の進行を抑える薬草をもらったんで、ある程度は持ちます」
ミアータ 「2日旅をしているって事は、だいたい明日には王都に着くってところだね」
GM 「そんな感じです、それで今は夕方ですがどうします?」
ナイトセイバー 「とりあえず宿屋に泊まろう。そんなに急いでいる訳でもないし」

パーティ一行は宿屋を探します。街道沿いの街だけあって、宿屋はすぐ見つかりました。1階は酒場&食堂、2階は宿屋という、(もはや半分お約束の)冒険者の宿です(笑)

さっそくパーティ一行は部屋を取って、そしてようやく夕食ににありつこうという所ですが・・・
ナイトセイバー 「飯だ~喰うぞ~♪」
GM 「ところで、店員が5人分の水を出してくれます」
ナイトセイバー 「ん?4人しか居ないんだけど」
GM(店員) 「え?5人いるじゃないですか?」

一同ギャバンのプレイヤーを見る(笑)
ギャバン 「どういうことなの?私はその場所に居るんですか?」
GM 「そう、みんなと一緒にいる、霊としてね、ギャバン以外の人には分からないけど」
ギャバン 「みんなと同じテーブルにいるんだよね、気づかないのかなぁ?」
GM 「様子を見ていると、他のみんなは普通に注文とって夕飯を食ってるけど」
ナイトセイバー 「俺は一応、神官だし少しは気付かないかな?」
GM 「神官技能が有るなら、ある程度は分かるかな?」
ナイトセイバー 「やべ、ここに霊が・・・、いやアンデットが居やがる(笑)」
ギャバン 「アンデットじゃないですよ~(泣)、ほらみんな気付いてよ。お嬢様、お嬢様~?」
ミアータ 「なんか寒気がするね(笑)」
GM 「ギャバンの声はもちろん他の人には聞こえない。まぁ、ナイトセイバーでも気配がわかる程度だからね」
ナイトセイバー 「(少し考え)ターンアンデットでも掛けてみるか?(笑)」
ギャバン 「ちょっと、待ってください。なんで一足飛びにターンアンデットなんですか!?なんだかプレイヤーに悪意を感じる」(一同笑)
ナイトセイバー 「ほら、うちらにしてみれば正体が分からないわけじゃん」
ミアータ 「そうだよ、悪霊かもしれないしね、というか絶対に悪霊かな(笑)」
ギャバン 「そんなぁ~お嬢様!」
(一同笑)
GM 「まあ、そんなやりとりをしていたら、外がざわついてます」
ミアータ 「なんだろう?」
ナイトセイバー 「なんだなんだ、何事だぁ~、と外を見に行ってこよう」
GM 「外に出てみますと、君らが泊まっている部屋の窓が見事にぶち破られている」
ミアータ 「んぐ・・・(絶句)」
マーティス 「・・・荷物とかは置いてあったよな」
GM 「まあ貴重品以外の荷物は、部屋に置いてきてるでしょうねえ、普通」
マーティス 「音はしなかったのか?」
GM 「君たちは酒場の喧騒の中にいたんで、窓が破られた時の音は聞こえなかったみたいですね」
ナイトセイバー 「俺の荷物が~、だだだだだ(と速攻で自分たちの部屋へと駆け込む)」
GM 「えー、荷物を確認しようと部屋に戻ろうとしましたが、扉には何故か鍵が掛かっている」
ナイトセイバー 「ざけんな、ばーんと蹴り開けるぅ~」
ギャバン 「むやみに物を壊してはいけません。ってゆーか本気で楽しんでますね、この非常事態を(笑)」
GM 「じゃあ、ばーんって扉を蹴破ると、部屋の中は窓は破られている以外は特に荒らされた形跡はないです。でも、決定的に無いものがある」
ナイトセイバー 「あ!もしかして『ギャバンの死体がなーい(笑)』とか?」
GM 「ピンポーン大正解!」
ギャバン 「の~~~~~~~~っ、私の死体、いや死体じゃない、私の宿?宿?私の本体、いや本体は私だ(意味不明)」
マーティス 「・・・肉体だろ(溜息)」
ギャバン 「そう、肉体です肉体」
(一同笑)
ナイトセイバー 「もしかして生き返ったのか!?」
ギャバン 「でも、私はここに居るんでしょ。つまり魂は?」
ミアータ 「とりあえず私はまだ状況が分かっていないんで『どうしたの?』ってナイトセイバーに聞いてみる」
ナイトセイバー 「ギャバンの体が無くなった」
ミアータ 「へ?」
ギャバン 「何てことだ、これはどういうこと?」
ナイトセイバー 「ん~、これはなんとなくきな臭い香りが(楽しそうに)」
ギャバン 「なんで楽しそうなんですか!(怒)」
ミアータ 「しかし、あんなもん、盗んでどうするんだろう・・・・」
ナイトセイバー 「解らないけど、ほら、悪い神官とかがさ、こう復活の儀式とか」
ミアータ 「わかった、ゾンビにするんだね!!」
ギャバン 「の~~~~っ。それだけは避けねば~~~」
マーティス 「しかし誰が持っていったのか・・・」
ナイトセイバー 「それともギャバン自身が歩いていったのか?(笑)」
マーティス 「とりあえず証拠や手がかりになりそうな物を探そう」
ミアータ 「窓から左右を見回して・・・・何もなーい。以上捜索終了(笑)」
ギャバン 「お嬢様!真剣に探してください!(怒)」
(一同笑)
ナイトセイバー 「そういえば窓ガラスぶち割って飛び出てるんだから、外には目撃者がいるだろ?話を聞きに行けばいいんじゃん。下に行ってみよう」
GM 「じゃあ宿屋の前まで降りてきたよ。人が集まってるけど、どうする?」
ナイトセイバー 「では単刀直入に『あの窓から飛び降りてきた死体らしき奴は居なかったか?』(本気で聞いてない)」
GM 「何人かが『何かを抱えて飛び降りて走り去っていったのを見た』との事だそうです」
ミアータ 「どっちに!?ってか見てたんだったら、止めてよ~」
GM(街人) 「だって、怖いじゃん。相手は武器を持ってるかもしれないし」
ミアータ 「しょうがないな・・・で、どっちに逃げて行ったの?」
GM 「北の方へ向かったらしい」
マーティス 「ま、どこに行ったにせよ生き返らす死体も無くなった事だし。役に立たなくなってしまった紹介状(ギャバンを生き返らす為の紹介状)は売ってしまって金に換えよう(笑)」
ギャバン 「・・・あなたという人は」
(一同笑)
GM 「という事が起こっていますが、晩飯も食い終わってる時間なんで、すっかり夜です。これからどうします?」
ミアータ 「とはいっても、放っておくわけにも」
ナイトセイバー 「ところで我々に敵を追跡できるような技能はあるのか?」
ミアータ 「れんじゃー!!ふっふっふっふ。足跡見つけてやるぅ、(さいころを振る)10」
GM 「その達成値だと、見つける事はできましたが、ある程度まで行くと暗いんで見失いました」
ミアータ 「これ以上はわかんないです。以上おしまい(笑)」
ギャバン 「ちょっと待て~」
ナイトセイバー 「いや、今日はもう遅いから帰って寝よう」
ギャバン 「本気なの!?あきらめちゃうの?!」
ナイトセイバー 「でも、方向は大体は分かっているんだから追いかけられるさ」
マーティス 「急いだってさどうなるわけでもないし。なんせ死体だからなあ」
ギャバン 「ちょっと待ってくれ、そんな問題じゃないんだぁ~(涙ながらに訴える)」
GM 「では、今日は追うの辞めるんだよね。じゃあみんな宿に戻ってきました。壊された扉と窓はちゃんと修理されてます」
ナイトセイバー 「さあて、ゆっくり寝るか(笑)」
ギャバン 「・・・ところで。わたし何してれば良いんですか?」
GM 「浮遊でもしててください」
ギャバン 「ははははははははは(乾いた笑い)」

ギャバンの死体(肉体)の事は、ほったらかしでゆっくりと休養をとる一行(笑)しかしギャバンはきがきではありません。すると深夜にある奇跡(?)が起こります。
GM 「で深夜なんですが。ギャバンがやることもなく、ぼーっと浮遊していると、部屋の隅の人影が居る事に気がつきます。黒装束に身を固めて何やらでかい鎌なんか持っていますね」
ギャバン 「おやあ?どっかで見たことのあるような。もしかして死神ですか?」
GM(死神) 「その通り、私は見てのとおり、死神って奴だ」
ギャバン 「はぁ、お出迎えですかあ(笑)いいですよ、私も潔い男ですからね」
GM(死神) 「まあ、慌てるな、私のほうから頼みたい事があるのだ、事と次第によっては見逃してやろうと思ってな」
ギャバン 「見逃す?・・・ちょっと待った、それは逆にいうと、依頼が達成できなければ生き返れなくなるって事?」
GM(死神) 「察しが良いな、その通りだ」
ギャバン 「もし依頼を断れば・・・」
GM(死神) 「『永久に苦しめられる場所』に連れていくる事になる」
ギャバン 「・・・なんで私だけこんな目に会うんでしょう(涙)」
(一同笑)
GM(死神) 「というわけで依頼の内容だが。この辺りに悪霊が居る。それを私の代わりに退治して欲しいんだよ」
ギャバン 「・・・・それは良いですけど。何でまた?」
GM(死神) 「ヤツ(悪霊)とは古い因縁があってな、でも直接手を出せない。・・・こっちには色々と都合があるのさ」
GM 「それで、悪霊を退治する為に、死神は『根性入れると一時的に幽体を物理化できる』という、ちょっとした能力をギャバンに与えてくれます。」
ギャバン 「あ、ほんと?一時的に実体化できるの?」
GM 「できます。また実体化してるときは、もちろん人の目に見えます。半分透けてますけど」
GM(死神) 「では依頼の方は頼んだぞ、その力を有効的に使ってくれ」
ギャバン 「なんか不安だなぁ」
GM(死神) 「まあ、そう言うな、無事退治してくれたらそれなりの報酬をやろう。」
ギャバン 「本当ですか!」
GM(死神) 「その代わり、この件でヤツ以外の死人が出るような事があったら、その時点で依頼は失敗だ。貴様の魂を連れてゆく」
ギャバン 「そんなぁ!(涙)・・・でも、まあ、しょうがないですね、色々と心配事は多いですが・・・(ちらりとマーティスを見る)」
マーティス 「まかせておきなって!(なぜか半笑い)」
ギャバン 「なんで半笑いなんですか!とてつもなく不安だ!」(一同笑)
GM(死神) 「(マーティスを見ながら)せいぜい、がんばることだな」
ギャバン 「はぁ、がんばります、選択の余地はないですから。しかし問題は、みんなにどうやって手伝ってもらうかですね」
GM(死神) 「まず、お前の肉体を捜しに行け。その向こうに悪霊がいる」
ギャバン 「あ、そうなんですか?ずばりヒントをくれて、なんだかぶっちゃけトークですね」(一同笑)
GM 「と言い残すと、死神は闇の中へ消えていった」
ギャバン 「まあ、とにかくこの事をみんなに知らせなくては。どうしよう・・良し、とりあえずお嬢様のところへいって」
ミアータ 「私はもちろん寝てるよ。夜中だし」
ギャバン 「起こさなくては。で、どうすれば実体化できます?」
ナイトセイバー 「掛け声とともに現れる。『蒸着』とか言って(笑)」
ギャバン 「おおい、そこから離れてくれ(笑)」
GM 「どうやって起こそうとするの?」
ギャバン 「『お嬢様、起きなさい!』って声を掛ける」
GM 「2D6振って」
ギャバン 「7です」
GM 「(ダイス目は7か・・・)んでは『おじょ』までしか発音できない」(一同笑)
ギャバン 「そこまで!?ほんとに一瞬だな、参りましたね」

結局なにもできないまま、そんなこんなで朝を迎える・・・・・
ミアータ 「うーん、朝だ、何かやる事があったような、なかったような~?」
ギャバン 「いや、ありますよ。私の遺体を見つけてください」
ナイトセイバー 「朝だ元気だご飯がうまい~♪と(笑)」
ミアータ 「そうそう、ゆっくり噛んで食べないと(笑)」
ギャバン 「くぅぅぅぅ(半泣き)」
ツィックラー 「そういえば昨日何かやってたよね」
ミアータ 「ああ、そういえば。メモメモメモ、メモ見せてメモ」
ツィックラー 「ああ、なんかねえギャバンの死体が無くなったって書いてある」
ミアータ 「あ!そうか、忘れてた(笑)。昨日足跡で追えた場所までとりあえず行って見よう、れっつごー」
ギャバン 「すーっとみんなの前に出てきて「こちらです」って事は出来ます?(ダイスを振る)」
GM 「できるよ。でも発音が変で『ひょー』としか聞こえないけど」(一同笑)
ギャバン 「でも、私のメッセージは伝わるはずだぁ、姿は見えたんでしょ?」
GM 「それは見えた」
ミアータ 「あ、あそこに死体がある(笑)」
ナイトセイバー 「アンデットだ~、化けて出てきやがった(笑)」
ギャバン 「違う違うぅ~(泣)」

とてつも無い不安を抱きつつ。一行はギャバンの死体を探しに旅立つことに

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