第2章 狙われしモノ

第4節 三つ巴

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ヴィジュレイの指輪を手にした為に、古代帝国を復活をもくろむライアットという男から狙われるはめに・・・

いつ襲われるかという不安な一夜を過ごした後、ようやく朝が訪れます。ちなみに君達の泊まった宿屋は冒険者の集まる宿で、一階は酒場と食堂、二階は宿泊施設になっている。

そして翌朝、第二の事件(というかようやく本筋)が発生します。

【実はGM、大インパクトを狙っていたんですが・・・】
ギャバン 「どうしますか?しばらくこの街で敵の情報を集めるか、それとも向こうがこちらを狙ってくるまで旅を続けるか」
GM 「なんて話していると、朝っぱらから酒場のドアが、ブァーンと開いて男が入ってきました」
ギャバン 「なんですか、朝から騒々しい」
GM 「そして、つかつかと酒場の真中までやってくると大声で『ここにライアットとか言う男の情報をほしがっているやつらがいると聞いたが!?』と大声で叫んだ。
酒場にいた他の人間は、状況がつかめず、ビックリしてその男を見ているけど。」
ミアータ 「(元気よく右手を挙げて)はぁーい」(一同笑)
ギャバン 「うわぁ、お嬢様、我々は狙われているのですよ、いきなり言ってばらしちゃってるし。はぁ(ため息)・・・(あきらめた感じで)はい、わたくし達ですよ」
GM 「『なるほどおまえ達か』と言いながら、みんなの前にきたよ」
マーティス 「なにか情報を握っているんだろ?ここで話すのもなんだ、とりあえず我々の部屋へ移動するか」
ギャバン 「そうですね。『そういった話しはこちらへ』と言って部屋へ案内しまょう」
GM 「部屋に着くと早々にその男は『まずは情報料からだな』って指2本立てた」
ミアータ 「2枚」
ギャバン 「お嬢様!!そうじゃないでしょう!?金貨200枚ですか?わかりました、払います」
GM 「男が金を受け取ると『お前さんがた、とりあえずどこまで知ってるんだ?』と聞いてきたよ」
ギャバン 「とりあえず、相手の名前と、我々を狙っているということ以外はなにも・・・」
GM(謎の男) 「俺がアジト知ってるって言ったら?(ニヤリ)」
ミアータ 「吐かせる」
ギャバン 「お嬢様!!違うでしょう、お金払ったんだから」
GM(謎の男) 「だったら俺についてきな、案内してやる」
ミアータ 「はーい、ついて行こう」
ギャバン 「はや!そ、それでいいんですかぁ!?」
マーティス 「信用して良いのかどうか・・・」
ギャバン 「あなたを信用できるという保証は?」
GM 「保証か・・・困ったな、といやらしい笑みを浮かべつつ『こんなもんでどうだい?』って懐から、お嬢の無くしたはずのサラマンダの腕輪を出した」
ミアータ 「見た覚えがある(笑)。いったいどこでそれを?」
GM 「『それは、まあおいおいとな。とりあえず、これ返しといてやるぜ』って返してくれた」
ミアータ 「いぇーい、これでサラマンダを呼び出せる」
GM(謎の男) 「『これで信用したろ?』」
ミアータ 「(?・・・・!)あんたが盗んでたの?」
GM(謎の男) 「『おいおいおい、そんなんだったらわざわざこねえよ』」
ミアータ 「うーん、そうか。拾ってくれてありがとう(笑)」
ギャバン 「ここら辺は良家のお嬢様なんだなぁ(笑)」
ツィックラー 「これどこで手に入れたの?」
GM(謎の男) 「あんたらと敵対している男からって所かな」
ミアータ 「じゃあ信用する。早速ついて行こうか」
ギャバン 「うわ、はや、・・・なんか待ち伏せされてそうですが」
マーティス 「他に方法も無いし、行って見よう」
GM 「では、ついていってお店を出るとですね、・・・魔法抵抗してください」
ミアータ 「いきなりだ、なんだろう、低い抵抗値9」
ツィックラー 「14」
マーティス 「15」
ギャバン 「10」
GM 「ファイヤーボールがいきなり飛んできた」
ギャバン 「じゃあギャバンベルトの効力で13(炎の攻撃に対して抵抗値が上がる)」
GM 「お嬢様以外は抵抗に成功、抵抗成功した人は12点、失敗した人が・・・11点?ダイスの目が死んでる・・・」
ギャバン 「残り体力1点、ギャバンピーンチ(焦)」
GM 「えーとですね、先ほどの情報をたれ込んだ男と同じような格好をした集団が、こうV字にならんで立ってる」
ミアータ 「隊列組んでる(笑)」
ギャバン 「信じられん、こんな街中でファイヤーボールを撃つなんて」
ツィックラー 「反撃する」
ギャバン 「その前に、とりあえず我々のヒットポイントを回復しないと、全員にまとめて回復をかけます、消費精神力は・・・みんなのぶんまとめて・・・12消費・・・・ぼろぼろ」
GM 「真ん中の男がニヤつきながら、脅してきた『貴様らが例の指輪を持っていることは知っている、命が惜しければ置いていけ』」
ギャバン 「一度殺しかけといて何言ってるんですか」
マーティス 「いいか、一人頭、金貨1500だ」
(一同笑)
ギャバン 「生け捕りにすると2000枚もらえるはずですよ?1500ってことはすでに生け捕りにすること考えてませんね(笑)」
(一同笑)
GM 「ちょっと今の状況を説明させて、ボスというかファイヤーボールを撃ってきた一番偉そうな男が真中にいて、その脇に二人ずつ部下がついている、それで『渡すのか渡さないのか?』と問いただしてきている」
ツィックラー 「渡すつもりは無いな」
GM 「『では仕方あるまい、実力行使だ!』という事で、戦闘開始」

戦闘は乱戦となり、ギャバンが相手の魔法に倒れるも(気絶した)、着実に相手を倒していくパーティ。

【ほんとはけっこうボロボロになってもらう予定だったんですけどね。必要以上に強力なアイテムを第1話で手に入れていたことをすっかり失念してました(笑)】

二人倒れたところで不利を悟った敵ボスはスリープクラウド(睡眠を誘う魔法)をかけて逃走を図る。が、あっさりと抵抗したマーティスとツィックラーが追跡を開始します。

マーティスのマジックアイテムの「ペンダント」を使用してファイヤーボール(爆炎の魔法)を放ちさらに二人倒すもボスは逃がしてしまう。

【っつーかさ、逃がさせろよ。一応敵ボスなんだから(涙)。こいつらほんと容赦ねーんだもんよぉ・・・】
GM 「さて、戦闘も終わり、しばらくしてから、ようやくスリープクラウドからナイトセイバー君が起きました、『うーん、いい朝だ(笑)』」
ミアータ 「こっちもやっと起きた、おはよう、むにゃむにゃ」
ギャバン 「お嬢様~(泣)」
ミアータ 「はっ!!ギャバンが倒れてる、ギャバン~って首を締める(笑)」
ギャバン 「うわあ、気絶してなければ突っ込めるのに(笑)」
ナイトセイバー 「おお、おっさん大丈夫か?って、さっそく回復魔法を使う」
ギャバン 「ふう、何とか生きてました、良かった良かった、で他の二人は?」
ミアータ 「そういえばいない、状況がわからないよ~」
GM 「すると、向こうの方からドーンって轟音が聞こえてくるよ(笑)」
ギャバン 「行って見ましょう」
GM 「行くとちょうどマーティスが相手に『ペンダント』を使用してファイヤーボールを放って敵を炭に変えたところだ」
ギャバン 「マーティス君!!これは一体?」
マーティス 「敵のボスが情報を漏れるのを恐れ、仲間を殺して逃げた(嘘)」
GM 「ちがーうって回りの一般人から突っ込みが(笑)。」
マーティス 「なんだギャラリーが見ていたのか、ちっ」
(一同笑)
GM 「そうしてると、衛兵達がやってきて『何があった!?』だそうです」
ギャバン 「えーとですね。襲われまして」
GM(衛兵) 「『襲われた~?じゃあこの黒こげなのはなんだ?』」
ギャバン 「えーっとそれは・・・・」
ミアータ 「正当防衛」
GM(衛兵) 「過剰すぎるって(笑)。とりあえず人が死んでいるし、衛兵はこの場で判断が付かないのでしょっ引きます。『とりあえず、話は詰め所で聞こうか!!』」
ギャバン 「確かに不意打ちされたとはいえ、こちらも深追いしすぎたかも…しかも、結果だけみると殺人罪なわけですしね。ここはおとなしく連れて行かれるしかないでしょうね」

衛兵に連れられ一行は詰め所へ

【今回は逮捕という手段を使いましたが、ファンタジー世界にも法と罪と罰ってのがあること、解ってほしかったんですよ。(だって警備兵がいるという事は尊守すべき秩序がある、護るべき生活があるって事でしょう?)

特に、冒険者同士の喧嘩なんて一般人のケンカと違って、他者にも被害が出るだろうし、『力を持ったやつは何をしても良い』という図式をなんとかしたいと思っていたんです。要は『力では解決できない事もある』ってところを言いたかったわけですよ。】

GM(衛兵) 「まあ、周りの証言から君らが襲われたのはわかった、しかしあれはやり過ぎだろう」
ギャバン 「あくまで正当防衛ですよ~(かなり必死)」
GM 「そんな話をしているとだ、『まあまあ、待ちなさい』って声が詰め所の奥から掛かった、すると白いローブを着た男が出てきます。『私が話を聞こうか』」
ギャバン 「ああ、なんか話がわかりそうな人が出てきてくれた(喜)」
GM 「この人は、町には大体一人は居座っている、詰所の連絡係を勤める魔術師だ。それで権限もそこそこある。で彼が一通り君達の話を聞きくと。心当たりでもあるのか『その魔法を撃ってきたのはこんな男じゃなかったか?』と人相を訪ねます、でその人相はあのボスと一致します」
ミアータ 「あいつだー!!」
GM(魔術師) 「やはりか・・・・・」
ギャバン 「ご存知なんですか?」

するとその魔術師は語り始める「そのボスはもともと魔法学院の学生で、彼と同期だったらしい。成績は優秀らしいんだけど、魔法帝国を復活させることに執着して人の道を踏み外したらしい。で名前はカブリオっていって、カルト集団『サーカス』を率いて、魔法帝国を復活させようとたくらんでいる」
ミアータ 「あれ?ていうことは賞金が掛けられたライアットとは別人?」
GM(魔術師) 「そいつは誰かな?」
ミアータ 「別人なんだ」
GM(魔術師) 「『もしかして、ライアットというのはあの男のことかな?カブリオ率いるサーカスという集団は、魔法の狂信者なんで肉弾戦を忌み嫌っていたが、その学院には”魔法大嫌い”の肉体派戦闘集団の『チャリオッツ』というのがいて、しょっちゅうケンカが絶えなかった。その魔法大嫌いの集団のリーダーの名がたしかライアットだったぞ」
ミアータ 「ということは両方から狙われているわけだ」
GM(魔術師) 「狙われているのか?」
ツィックラー 「まあ、そうかな」
GM(魔術師) 「すまないが一つ頼まれてほしいことがあるんだが・・・」
ギャバン 「あいつらを止めてほしい・・・と?」
GM(魔術師) 「そうだ」
ミアータ 「なんか、うちらは、ぼろ負けだったんだけど・・・」
GM(魔術師) 「そうなのか?先ほど見た限りでは君達の中にはファイヤーボールを撃てるほどの魔法使いが居ると思われたんだが」
ミアータ 「そんな人、いないいない」
ツィックラー 「ぶっちゃけて言うとアイテム」
ギャバン 「ぶっちゃけないでください、そこ」
GM(魔術師) 「すごいな、ファイヤーボールの撃てるアイテムを持っているのか」
ギャバン 「ところで。(咳払いをしつつ)私達はこれまでよかれと思って働いてきましたが、いかんせん収入がゼロなんで・・・」
GM(魔術師) 「もちろんただとは言わない、捕らえてここに連れてくれば一人1000だそう」
ミアータ 「でも捕まえるとしても、あいつらどこにいったんだろう?」
GM(魔術師) 「私がこういうことを言うのは心苦しいのだが、君達が狙われているというのなら、その状況を利用したいのだよ」
ツィックラー 「つまり、我々が囮になると?」
ギャバン 「・・・いいですよ、乗りかかった船ですし、報酬も出ますし」
ミアータ 「この際、利用されてしまおう(笑)。」
GM(魔術師) 「済まない、後はよろしく頼む」
ギャバン 「はぁ~、ほんとに大丈夫なんでしょうか・・・」
ツィックラー 「これも正義のためだろ」
ギャバン 「気軽に言ってくれますね。しかし、それはもちろんですよ、ティリオン(太陽・光・正義を司る神)の信者として果たさなくてはいけない義務ですからね」

この段階で、プレイヤーはカブリオ率いるカルト教壇『サーカス』、ライアット率いる肉体派戦闘集団『チャリオッツ』という2つの団体から狙われている事がわかります。

パーティは、魔術師からカブリオを捕まえるという依頼を引き受け、(半ば無理矢理ですが・・・)その日は宿で休養を取る一行。

だがしかし、ここで第三の事件が発生する
GM 「じゃあ、その日の夜、宿屋で何かが起こります。女性と男どもで部屋は別かな?」
ギャバン 「ええ、もちろんです」
GM 「それじゃあ・・・男部屋のほうだけど、冒険者レベル+知力ボーナス+2D6でチェックをどうぞ」

いきなりかよ、などと言いつつダイスを振る男性キャラプレイヤー
GM 「なにかに気付いたのはツィックラーだけかな、気付くと枕もとに一人の男が立ってます」
ミアータ 「こわっ。ってゆーか、さっきからそんな事ばっかり~(泣)」
(一同笑)
ツィックラー 「なっ、なんすか!?(かなりビビりモード全開)」
GM 「そいつはすでにツィックラーの首元に短剣を押し付けている。下手に動けないね、でこう言ってきた『いいか声を上げたり音を立てるなよ、俺たちは別にお前達を傷つけるつもりは全然無いんだ』」
ツィックラー 「あんたら誰だ?」
GM(脅迫者) 「ライアットの仲間だといえばわかるだろ」
ツィックラー 「ああ、なるほど」
GM(脅迫者) 「取引するつもりは無いか?ようは俺たちは指輪がほしいだけだ」
ツィックラー 「ん~?なにそれ?(とぼけてみたりして)」
GM(脅迫者) 「指輪を渡してくれれば、あの魔法狂信者たちも俺たちが倒してやる、お前らを守ってやろう。どうだ悪い条件じゃないだろう?」
ツィックラー 「持ってかれたんだけど、それ(大嘘)」(一同笑)
GM(脅迫者) 「というと、今手元にないと」
ツィックラー 「ないっす」
GM 「『まあいい、3日後の夜に近くの森で俺たちは待っている、それまでにどうするか仲間と相談するんだな、もし来なければ、そのときは実力行使だ。あんたらを襲って指輪を奪うだけの事だ』と言い残すと、去っていった」
ツィックラー 「肝心なときに、みんな起きないんだからもう(半泣き)」
GM 「翌日の朝になりました。みんなも起きてきたよ」
ツィックラー 「じゃあ、みんなに話そう、こんな事があったんだよ。ほら、ここに傷が(と首筋のかすり傷を見せる)」
ミアータ 「ほんとだ~、っていつの間に指輪をとられたの?」
ツィックラー 「本当はとられてないよ」
ギャバン 「お嬢様はあっさり騙されてますが、はたして連中を、うまく騙せたんでしょうか?」
ツィックラー 「わからない。でも、連中は夜中ならいつでも襲って来れるってことで注意しないと」
GM 「パーティの方針としては、どうします?連中が言うには『指輪を持ってこい』って事だけど」
ギャバン 「断じて断りましょう、ともかく今後どうしましょうか」
GM 「期日まで3日間あるから」
ミアータ 「その間にレベルを3ぐらい上げて連中と闘えるようにする」

ミアータの発言はまるで無かったように話しが続く(笑)
ツィックラー 「僕としてはですね、気づくべきハズの本業(盗賊)が起きなかったというのが・・・」
ナイトセイバー 「俺のせいか?俺のせいなのかぁ~??」
GM 「というか、NPCが起きちゃあお話にならんでしょうが(笑)」
ツィックラー 「ギャバンも起きなかったし」
ギャバン 「私はね、度重なる心労でへとへとなんですよ」
ミアータ 「なんでだろ?」
ギャバン 「なんでじゃないでしょ!!あなたのせいです、お嬢様!!」
ミアータ 「とりあえず、用意周到に罠を張ってから、おびき寄せれば良いんじゃない?」
ギャバン 「どうやって罠を張れば良いんですか?」
ミアータ 「それはもう、罠のスペシャリストが」
ギャバン 「マーティス&ナイトセイバーですか」
ツィックラー 「正義の罠を」
GM 「(ぼそっと)正義の罠ってどんな罠だよ?」
(一同笑)
マーティス 「とりあえず、自分達の居場所をおおっぴらにばらしておいて、罠をはって待っていよう。それと二日後にはこの街から居なくなるっていう偽の情報も流そう。あせって襲ってくるかもしれない。」
ギャバン 「ということで、情報を流すんですね」
ツィックラー 「店とか回って出発の準備とかすれば噂も立つでしょう」
ギャバン 「じゃあ、そんな感じで敵の出方をみながらすごします」
GM 「何事もなく二日間がすぎます。で、二日目の夜に、お世話になった賢者のヨセリルが訪ねてきた、「そろそろ、あんたら行くのかね、しかしずいぶんと騒ぎが大きくなったものだな」」
ギャバン 「まあ、何の因果か・・・」
GM(ヨセリル) 「宿命という奴かな?指輪の持ち主の」
ギャバン 「これもティリオンが与えた試練という奴ですよ、ははは(乾いた笑い)」

(一同笑)本来ならば、ここらで種明かしをすべきでしたが、GMがすっかり忘れていました(笑)。

プレイヤー達の指輪を狙っている二つの狂信者団体。彼らの団体は指輪の情報を盗賊ギルドから手に入れています。ではその盗賊ギルドはどこで、プレイヤー達が「指輪」を持っていると知ったのでしょうか?

それは前回のシナリオの途中でプレイヤーが洞窟で手に入れた宝物関連を換金している」現場を見ていたのです。そしてその宝物の出所を探ったのです。なんせ時間はたっぷりありましたしね。盗賊ギルドは、ほぼ正確な情報をつかんでおりました。(無論、ミアータ嬢の口の軽さも災いしておりますが(笑))

プレイヤー達にはよく事態がわからないまま次回につづきます

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