第2章 狙われしモノ

第1節 謎のアイテムの正体は・・・

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GM 「じゃあ、前回の話を簡単に整理すると、冒険の依頼を引き受けて、達成したら、ついでに竜の遺跡を発見して、アイテムを見つけて丸儲け、『わっはっは』と笑いが止まらない、というころだ」
ミアータ 「ちなみに今回のキャンペーンはGMを持ち回りでやっています。今回のGMはナイトセイバー君のプレイヤーです」
GM 「で前回のGMはミアータ嬢でした。今回は、見つけたアイテムを鑑定してもらうために、デカンの町に住むヨセリルという学者さんのところに居ます。で鑑定がすんで一段落したところだね。するとヨセリルがですね、前回の冒険で見つけた指輪について『よかったらもうちょっと預けてもらえないかなと、もしかしたら”神と呼ばれた竜”の力を受け継いだかもしれない指輪なんで、ちょっと調べたい、ていうか調べさせてくれ』と話を切り出してきた」
ミアータ 「学者根性がでまくってる(笑)」
ギャバン 「まあ、かまわないですよ」
ツィックラー 「あ、ただし後でその研究結果を教えてくださいね」
GM 「『もちろん、研究成果は教えるよ、君達の指輪だしな』とヨセリルさん。で、調べるのに一週間くらいかかりそうだけど君らはどうしてる?」
マーティス 「一週間か・・・」
ミアータ 「じゃあその間、この辺にいるゴブリンとか退治しよう!!」
ギャバン 「ちょっと待ちなさい、意味もなく退治してもしょうがないです」
ミアータ 「え~?!」
ギャバン 「それじゃあ、他の野盗とかと変わらないでしょ?我々は冒険者ですよ」
ミアータ 「冒険者といえばいきなりゴブリンの住処に押し入って全滅させるのが定番の仕事でしょ?」
ツィックラー 「なるほど、それが冒険者の仕事なのか」
ギャバン 「断じて違います!!それは、『村がある襲っちまえ』っていうゴブリン共となんら変わらないんですよ!!」
(一同笑)
マーティス 「いや、金が入れば良いんじゃないか」
ギャバン 「わーぉ、もちろん生活費を稼ぐのも大切ですよ、でもね、そこにね理性や知性がなくてどうするんですか(溜息)」
ツィックラー 「『ギャバンは説教をたれる』とメモに取っときましょう」
ギャバン 「(疲れた様子で)はぁ・・・、とにかく襲うとか言ってないで一週間おとなしく待ってれば良いんですよ。宿屋とかはあります?」
GM 「もちろん、そこそこでっかい町だしね。それから、ここから北には”無の砂漠”という広大な砂漠地帯が広がっていて、この町は無の砂漠へ行くための玄関口だと思ってください。地獄の入り口とか片道切符とか言われるパターンが多いんですが(笑)」
ギャバン 「なるほど・・・わかりました、じゃあさっそく宿屋に・・・・」
ミアータ 「(親指を立てつつ)無の砂漠へGO♪」
ギャバン 「言うと思いましたよ!!駄目です!!」
ツィックラー 「ギャバンはギャグは嫌いだった(メモ)」
GM 「まあ、宿泊費とか食費とか滞在してる間ちゃんと減らしてね」

結局、おとなしくデカンの町で一週間過ごすわけですが、お嬢様が豪遊、ギャバンの荷物と精神的負担(笑)だけが増えていく・・・という、ある種「どこがおとなしいんだ?」的な休暇となっておりました。
GM 「一週間たちました。再びヨセリルのところ行くと小難しい顔をしてる。あ、ちなみに有名な冒険家のニディラ・ハクスなんだけど、彼はみんなが宿を取った翌日には、256番目の冒険へと旅立っていった(笑)」
(一同笑)
GM 「で、ヨセリルが小難しい顔をしつつ、『おお、君達か』と向かえてくれる。結局、前回教えた話し以上の事はわからなかった。使いとかを出してフォールニア国内で調べられる所は調べまくったみたいだね。」
ギャバン 「なるほど」
GM 「あと、調べられる可能性としてあるのは他の国に行って図書館とか調査機関とかにいって話を聞くのが一番かなって事らしいけど。」
ギャバン 「困りましたね、どうしましょうか?」
GM(ヨセリル) 「・・・ちなみにこのことを他の人間にしゃべってないよな?」
一同 「ええ!?」
ギャバン 「お嬢様!?」
ミアータ 「平気平気、あたし口堅いし(目線は泳ぎまくり)」
ギャバン 「・・・うそつきなさい、一番軽いじゃないですか」
ツィックラー 「なるほど、『お嬢様は喋っているらしい』(メモ)」
ギャバン 「ちょっとまって!あなた何言ってるんですか」
ミアータ 「大丈夫、大丈夫、誰も信じてくれなかったから」
ギャバン 「信じてくれなかったじゃないでしょ?もろもろ、ぜ・ぜんぶですか・・・あ、ははははは(と崩れ行くギャバン)」
(一同笑)
GM(ヨセリル) 「まあ、最悪その洞窟が盗掘を受けるのはしょうがないとして、何かしら大きな事件に巻き込まれると君達の命が危ない」
ミアータ 「それってすごく冒険者っぽいね」
ギャバン 「なに言っているんですか!我々が狙われているんですよ!(怒)」
ツィックラー 「ギャバン、声が裏返ってるよ」
GM 「まあ、そんなわけであんまりべらべら喋るようなことではないから、私も黙ってるし」
ギャバン 「えっと、とりあえず、指輪自体に危険はなさそうなんですよね?」
GM(ヨセリル) 「そうだね。私が調べたところでは危険はないな」
ツィックラー 「特に、何かあるって訳ではないんでしょう?」
GM(ヨセリル) 「何かあるとは思うぞ」
ギャバン 「じゃあ、我々はその指輪を持って帰るだけでいいんですかね?」
GM(ヨセリル) 「何か調べるんだったら、幾つか心当たりの場所を紹介するが、どうする?」
ギャバン 「どうしますか?」
ツィックラー 「調べてみよう」
GM 「え~と、ヨセリルが紹介できるところは2ヶ所あるんですが、まず一つはナルティシアにある魔道師協会。魔法系の蔵書が充実した書庫がある。そしてもう一つがディファールにある王立図書館、島中の本を集めてきた図書館なんでなにか手がかりがあるだろうということ。でヨセリルはその2ヶ所に紹介状を書いてくれた、これを見せれば閲覧が許されるだろうということです」
ミアータ 「遠いね」
ギャバン 「どちらに行きましょうかね?」
マーティス 「(ぢっと紹介状を見詰めつつ)これ売ったら幾ら位になるかな?」
ギャバン 「ちょっとまちなさーい。マーティス君!!」
ツィックラー 「(あごに手を当てつつ)まあ、裏に売れば結構・・・・」
ギャバン 「そこ乗らない!!」
ミアータ 「でもさ、指輪のこと調べてわかったりしたら、この島、支配できるかもよ~?」
マーティス 「(!)なるほど」
ギャバン 「わぁーお、変な意味で説得されてる。まあ、でもこの際、ナイスお嬢様と言っておこう。やはり悪は悪・・・いや違う、お嬢様は悪じゃなーい」(一同笑)
ミアータ 「とりあえず、どっちから行こうか?炎の地(火山地帯)を突っ切るとか、無の砂漠を突っ切るとか、大亀裂を突っ切るとか」
ギャバン 「ちょっとお待ちなさい、どうしてあなたルガーナで険しいところばっかり選ぶんですか?」
ミアータ 「え?でもフォールニアってどこ行ってもそうじゃん」
GM 「えーと、ルートは全部で4つあります。ひとつは砂漠越えでファルサラへ抜けていく道。二つ目は山越え、炎の地(火山地帯)を抜けてナルティシア、あるいはアブグアル・ネストール方面へ抜けていく方法。三つ目、大亀裂(大渓谷)を越えてアブグアルへ入る方法。四つ目、最後、テーベから定期船を使っていく方法。」
ギャバン 「じゃあ、船ですかね」
マーティス 「そーいえばうちら、船代とか払えるのか?」
GM 「結構高いですかね。ゆうてもルガーナの重要な交通手段ですから」
ギャバン 「直接、ディファールにいくとすると、フォールニアの港町からいくらですか?」
GM 「最低限一人500って所ですね」
一同 「・・・・・・(一瞬にして沈黙が場を支配する)」
ギャバン 「直線距離で一番近いのは炎の地を突っ切るんですかね?」
GM 「まあ、どれが一番近いかは、はっきり言えない。なにせ冒険者達は上から地図を見てるんではなく自分の足で歩いた感覚で距離を知るわけだし」

結局、ああだこうだの協議の結果、大亀裂を越えてアブグアル、そしてディファールへと至る道を選んだのであった(無論、ミアータとギャバンの凄絶なつばぜり合いがあったのであるが)。

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