第1章

The Dragon in The Sword

第三節 古代帝国最後の皇帝

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GM 「中に入るとね、かなり大きな部屋で、壁中に竜達の戦いを描いた壁画が取り巻いている。で、神聖な祭壇のようになっていて、中央に人の墓らしき石碑が立っている。まぁ霊廟といったところだね」
ダグラス 「う~ん、とてつもなくイヤ~な予感がするな(笑)」
GM 「で、その前に騎士姿の甲冑が立っているけど」
アルセスト 「この鎧は、ドラゴンスレイヤーであるこのオレのために、神が用意してくれたものだと思って、取りに行く(笑)」
ダグラス 「ちょっと待て。<リビングアーマー>(鎧姿の怪物)じゃねえのか?」
GM 「ちゃんと剣とかも装備してるよ」
ダグラス 「あ、そうなの? じゃあ絶対攻撃してくるやん(と言いきった)」
GM 「さあね。で、東西の壁画の中には、それと同じような等身大の騎士の絵が描かれている」
マナレス 「…じゃあ、とにかくわかんないけど武器は抜いとこう、みんな。だいたい我々は、てだれの冒険者なんだよ。つまりこの手の罠は、お手のものなんだよ」
アルセスト 「そ~だな。みんなでやれば怖くない!」
GM 「じゃぁ予想通り、皆が近づくと、剣をすらりと抜いて構えるよ。戦士なら解るけど、見た目かなり『できる』」
ダグラス 「う~、かなりできそうだぞ」
アルセスト 「そんなの関係ないっ!! やっぱプリウェンちゃんだよっ!!」
ダグラス 「はいはい。あ~、もうい~ですっ!勝手にやってくれよっ!」

「うりゃぁぁぁっぁぁ~っっっ!!!!! この後の戦闘は、ドラゴンスレイヤー(予定)のこのオレ、アルセストが解説するぜっ!!!!!いくら強そうだとはいえ、敵はたった一匹。つ~ワケでオレ達は、オレとダグラス、マナレスの三人で囲んでフクロにするってぇ作戦を取った。サライとスティーブは、後方から攻撃魔法をぶっ放すっつう事で、後は皆でどつきまくりっ!! 甲冑野郎の攻撃はもっぱらこのオレに集中したが、魔法の盾のプリウェンちゃんを持つオレには、全く効かね~んだよな、これが。そして4ラウンド目の最後には、オレのクリティカルも決まり、これで戦闘は幕を閉じる……と思われたのだが…」
アルセスト 「うおぉ~っ!やったぜ!! クリット21発っ!!! さすがにこれでくたばっただろ!?」
GM 「まだピンピンしてるよ(笑)」
アルセスト 「なぁにィィ~!!? カタすぎるぞ、こいつ!」
ダグラス 「それおかしいぞ!? クリットもいってるし、いくらなんでも2~30発は食らってるはずだぞ」
一同 「う~ん…(しばらく悩む)」
ダグラス 「これは本体を攻撃してもダメってパターンだなっ!?」
一同 「……(しばらく悩む一同)」
サライ 「(突然)もしかしたら、絵が弱点かも…」
マナレス 「(!)え~っ!?」(一同失笑)
ダグラス 「出たよ、こいつ…(笑)」
マナレス 「ま、待ってくれ! 違うぅ!今のはギャグじゃないんだ!!」
アルセスト 「(本当かぁ~!?)…まぁいい、とにかく弱点さえ分かれば恐くない!オレ右の絵攻撃するから、残りの奴等は左殺れや」
ダグラス 「ちょっと待て。この鎧はど~すんだよ、おいっ!?」
アルセスト 「あ~、まかせた、抜刀斎(笑)」
ダグラス 「(こいつも…)わかったよ。一人で防御姿勢してるよ、オレは~」
スティーブ 「じゃあ、オレ、絵に油袋を投げつける」
マナレス 「あ~、燃やすってわけかぁ。さすがだよスティーブぅ~」

「つ~ワケで後半戦。スティーブは油袋を投げつけ、絵に油をぶっかけた。その後は、サライとの見事なコンビネーションで、炎系の魔法をぶち込む。これで油に火が引火して、絵が燃え上がるって寸法だ。さすがスティーブ。そして絵が燃え始めるとともに、鎧の騎士の身体からも炎が吹き上がるのだった…」
GM 「じゃあその攻撃で、壁の絵は崩れ去った。んで、それと同じように、鎧の騎士も燃えながら崩れて、灰になってしまった」
マナレス 「うぉ~、やっつけたぞ~!」
アルセスト 「マントが室内にもかかわらず、はためいちゃうんだよな」
サライ 「これは私のおかげですね」
GM 「う、タカビーだ」
アルセスト 「このオレの剣の切っ先が、Aの字を描く!(一人別世界)」
ダグラス 「…も~いいよ、オレ先行くよ……ちなみに月神の祈りをささげておいて、その墓を調べてみる」
GM 「じゃあラフィーネが古文書を取り出して、石碑に書かれた文字を調べはじめる。『う~ん…』」
ダグラス 「そこにファントム(幽霊の一種)登場とかいったらヤダなぁ(笑)」
GM 「じゃあ、ご期待にそって“もわぁ~”っと(笑)。老人姿の幽霊が、墓の上空に現われたよ。でね『我が霊廟を乱す者は誰だ?』っつってる」
マナレス 「ラフィーネです(一同笑)」
GM(ラフィ~ネ) 「『えぇ~っ!?』(笑)」
サライ 「マナレスの頭を叩く。『バァァァ~ン』(笑)」
アルセスト 「…幽霊にたずねる。『あんた何者だ?』」
GM 「『我が名はミディール・ダイノス。ルガーナ帝国<最後の皇帝>にして<意識を封印せし者>だ』」
マナレス 「あ~覚えとる、覚えとる。お前かぁと内心でつぶやくから(笑)」
GM 「『お前なぞ知らん!…それよりお前達のような者が<試練>を乗り越えるとは…』」
アルセスト 「<試練>だぁぁぁ~!!? こっちはそのおかげで死にかけたんだぞ! 殺すぞクソじじいっ!!」
ダグラス 「もう死んでるって(笑)。で、オレは武器をおさめて、その幽霊に尋ねよう。『なぜ我々に試練なぞ与える?』」
マナレス 「それはもう僕達が<選ばれし勇者>だからさ。まさにF・FIIIのたまねぎ剣士みたいに(笑)」
サライ 「バカモノ~!(笑)」
GM 「う~ん、幽霊が言うには『邪悪な者が<世を制す宝>を手にしないためだ』と言ってるね」
アルセスト 「だからその<世を制す宝>ってのは何なんだよ!?」
GM 「『う~ん、それは話せば長くなるのじゃが…』」
アルセスト 「おう、だから早く喋れよ、Aボタン連打で!(一同爆笑)」
GM 「(お、お前って奴は…)じゃあ幽霊は語り始めた。『その昔、古代ルガーナ帝国末期、人間達は<世を制す宝>の力によって繁栄を極めていた。しかし人間達を滅ぼしその宝を奪おうと、邪悪な竜達が侵略を始めたのじゃ。その先頭に立ったのが、<炎の邪竜ベルヴェイグ>!』」
ダグラス 「ありがちだな(笑)」
GM 「(ムカッ)黙って聞け!『そこで我々は善の竜である<神竜キンツェム>を味方につけ、炎を支配する魔剣<フレイムマスター>の力で邪竜に対抗したのじゃ。<フレイムマスター>は世界さえ焼き尽くすと言われる諸刃の剣…。そして最後にはその魔剣の力によって<ベルヴェイグ>を見事打ち倒したのじゃ。しかし二度とこのような争いが起らぬように、<世を制す宝>は封印されてしまったのじゃ』」
サライ 「ふ~ん…で、それと私達とどう関係があるっていうワケ?」
アルセスト 「もしかして、彼女が人間に戻ってこれるような宝なのか!?」
マナレス 「いや違う。この僕が呪いを解いてドラゴンに戻して…」
ダグラス 「バカ!何を聞いてんだ、お前らは!!」
GM 「で、皇帝は『ところがその<世を制す宝>の封印が弱まっているんじゃ!おまけにその宝が何者かに狙われている…だからその宝が邪悪な者に渡る前に、お前達に取って来て欲しいのじゃ!』」
アルセスト 「おいおいおい…剛球一直線じゃねぇか!(笑)」

この後プレイヤー達は、皇帝の幽霊からさらに情報を聞き出すのであった。

幽霊が言うには、目指す<世を制す宝>は<大亀裂>をさかのぼった所にあるという。

また、魔剣<フレイムマスター>は<戦神ウォール>が使っていた剣で、普通の人間には扱う事すらできないという。そしてその魔剣と邪竜<ベルヴェイグ>は共に行方知れずだそうで…てゆーか、めちゃめちゃ怪しいよ、それ(笑)。

ダグラス 「なーんかさぁ、この依頼うけたらいろんな奴から狙われそうじゃねぇ!?」
マナレス 「だいたいさぁ、そんな危険な目にあってまで、宝を手に入れる理由も使命感も無いんだよね、俺らには。…報酬も出ないし」
アルセスト 「それが問題じゃねぇだろ!問題なのはプリウェンちゃんが元に戻るかどうかって事なんだよ!」
ダグラス 「それも違うっつ~の!」
GM(幽霊) 「『…ニヤリ。できんとでも思っとるのか?』」
アルセスト 「出来るのかっ!?」
GM 「『そこはそこ、なんつっても<世を制す宝>だからな』」
アルセスト 「俺達の使命は今この瞬間に決った!『(皇帝に)任せてください、先生!』(一同笑)」
ダグラス 「ったくこのバカが~!…まあリーダーがそう言ってる事なんで、とりあえず<大亀裂>にいきゃあいいわけであるなと」
GM 「じゃあ『お前達、頼んだぞ』と言うと幽霊は消えてしまうけど…」
サライ 「(幽霊に)あ~、すいません、もう行っていーですよー」

重大な使命を受けた一行は、いざ<大亀裂>を目指して一直線!・・・とおもいきや、
「なんかアサってこうぜ」というマナレスのセコイ提案で、迷宮内を探索することにしたのだった。

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