第1章

Reunion

第1節 冒険者の再会

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GM 「じゃァ始めるよ。皆さんは今ルガーナ島という大きな島にいる」
ダグラス 「それが今回の冒険の舞台だな」
GM 「そう。んでこの島の中にある国々の一つに、ネストールというこうこくがあってね」(みんなに地図を見せる)
ダグラス 「こうこくぅ?」
レイバー 「チラシの『広告』じゃなくて『公国』の方だよ(笑)」
ダグラス 「あせった、何かと思った」
GM 「んで、この公国はアブグアル王国の属国で、現在はアディア=ネストールという大公が統治している。ネストールという名をそのまま国名にしているわけ。この大公は、国内でも評判が良くって、アブグアルの国王にも気に入られてんの。そしてダグラス、君には大公の側近になってもらいたい。つまり彼の身の回りの世話もやっているわけだ。もちろん強制はせん」
ダグラス 「マジ~!? じゃ犬かよオレは?」
GM 「失礼なやっちゃ。だから、一番忠誠心がある男って感じなの。劉備と関羽みたいな関係だと思ってよ。やりたくなければいいけど・・・」
ダグラス 「なんだ、そういう事ならいいよ」
GM 「ならやってもらおう。んである日、この公国に伝令がやって来たんだ。西の山中にいる盗賊どもが近所の村を襲い出したらしいってこと。しかもそれとは別に、ちょうど今、国全体に不穏な空気が流れているわけだ」
ハイエスタット 「なんで?」
GM 「まぁ聞いて。(地図を指し)このナルティシアという軍事大国と、南のディファールっていう国が戦争を始めそうなの。他にもファルサラという国がナルティシアから経済援助を受けているため、この国はナルティシア側に立って、戦争に備え出兵の要請をしている」
ハイエスタット 「アメリカとカナダの関係ね」
GM 「まっ、属国だからね。一方こっちのデファールは、王族が親類関係にあるアブグアル王国に援軍を求めてきたの。で、もちろん属国のネストール公国からも騎士団を派遣する事になったわけだ」
レイバー 「ちょっと待ってよ、なんか解りにくいんだけど」
バルガルギルズ 「つまりだな、北のナルティシア・ファルサラ同盟軍と、南のディファール・アブグアル・ネストールの三国同盟が、この島全土を巻き込んだ大戦を始めようとしているって事だ」
レイバー 「なるほどね」
GM 「それで今、王都で式が行われていて、公都には騎士団はいない。と、いったところに、その隙を狙って盗賊達が、村を襲い出したんだ」
バルガルギルズ 「それってもしかして、オレたちの住んでいる村?」
GM 「いや、違う。君達は公都に住んでいるの」
ダグラス 「じゃ、オレは今どこにいるの?」
GM 「え、だから大公さんの横。ところで君は元冒険者で、他の皆さんとは古い冒険者仲間ってことね」
ダグラス 「ああ、知り合いね」
GM 「で、大公さんはある日側近であるダグラス君に『確か君には冒険者の仲間がいると聞いたが』」
ダグラス 「ウソですっとか言ってね(笑)」
GM 「『なァにぃぃぃ~!?』」
ダグラス 「今のがホントのジョークです!」
GM 「『ならばその者達と共に、盗賊達を打ち倒してはくれぬか。騎士団は今、国王の謁見にて動けぬのだ』と言っている」
ダグラス 「どれくらいいるんですか?その盗賊達って」
GM 「『伝令の報告では、2~30人はいるらしい』と言っている」
ダグラス 「しぶしぶ承諾する。それで報酬はないのですか?」
GM 「国が貧しいからね」
ダグラス 「え~っ!!マジかよ!くそ~!仲間がつれねーなァ」
GM 「だけどみんな仲間だからちゃんと引き受けてくれるでしょ!?」
ダグラス 「中には、つめてェ奴もいるからな」
ハイエスタット 「誰それ?」
アポトリス 「それってもしかしてオレの事?」
ダグラス 「だァ~!! 関係ない関係ない! じゃァ、さっそく城を出て仲間でも捜すか。で、こいつらどこに?」
GM 「いや、どこにいるんでしょ?」
ダグラス 「じゃあね・・・とりあえず街に来て、近くの酒場へ寄ってみるか」
GM 「酒場・・・? わかった」
アポトリス 「オレ嫌いなもの酒だかんね。好きなもの甘いもの」
ダグラス 「わかった、わかった・・・。それでみんながいる、いないに限らず、酒場をぐるっと見渡すよ」
GM 「酒場の中は結構こんでいて、なかなか繁盛しているみたい・・・。じゃあ、みんな見つかったことにしよう。ダグラス君は見覚えのある顔がみんなそろって飲んでいるところを、偶然発見した」
ハイエスタット 「それじゃァ、こちらも偶然彼がいるのに気付いた。『ダグラス・モードさん、おひさしぶり~』と声をかける。『ずいぶん歳をとりましたねェ~』」
ダグラス 「悪かったな、ちきしょ~!」
ハイエスタット 「人間の成長の早さは、すごいものですよ」
ダグラス 「で、実は久々に君達においしい話を持って来たぞ」
アポトリス 「甘いか?」
ダグラス 「・・・まあ甘いかもしれない・・・」
レイバー 「君のおいしい話ってのは、必ず良くないことが起きるんだがな」
ダグラス 「悪かったな」
ハイエスタット 「レイバー、それいいセリフだよ」
ダグラス 「とにかく聞くだけ聞け。(地図を見せて)この辺で盗賊が村を荒らしまわってて、退治してくれって大公から言われてるんだよ。それで仲間連れて行かなきゃ、オレ、ブッ殺されちゃうんだよ」
アポトリス 「そいつは面白いかもしれねぇー」
ダグラス 「おい!?」
ハイエスタット 「断わったらどうします~?」
ダグラス 「断わったら? 殺してやろうか~!?」
アポトリス 「まさかタダでやれってのか? オイこらァ!?」
ダグラス 「その通り。全くもってその通り」
レイバー 「まァ、別にかまわない」
ハイエスタット 「それじゃァハイエスタットは言った。『殺されるよりはましでしょう。一緒に行きましょう』(笑)」
ダグラス 「そうだろう、そうだろう」
バルガルギルズ 「戦いは?」
ダグラス 「もちろん。盗賊相手だけど」
バルガルギルズ 「よし、行こう!!(笑)」
ダグラス 「で、そちらさんは金を払ったら行ってくれるのかい?」
アポトリス 「甘いものでもいいよ。ある?」
GM 「(これくらいなら教えてもいいか)あるよ。食料庫が盗賊のアジトに」
アポトリス 「よし、行く!!(笑)」
GM 「それじゃぁ仲間が同意したところで、行くんでしょ?盗賊の館?」
ダグラス 「もちろん」

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