第2章
The King of The Swords

第七節 邪竜と善竜

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<フレイムマスター>を取り戻そうとするアルセスト達は、とりあえず本拠地の<ナリト>まで戻ることにした。
GM 「で、君達はナリトの街まで一週間ぐらいで戻って来た」
マナレス 「僕たちって結構有名人なんだよね?て事は我々の妄想も知れ渡ってるんだな?」
ダグラス 「十中八九、変人扱いされてっだろ(きっぱり)(笑)」
アルセスト 「バカ言ってんな。吟遊詩人に唄われて、今や英雄よ!」
ダグラス 「吟遊詩人もさ、バカにした唄い方しかしないんじゃないの?(笑)」
マナレス 「ちくしょ~、お前らいつか見てろよ~。本当に竜になったら、君らビビるだろうよ~(泣)」
ダグラス 「あ~、そ~だね。ビビってやるよ(笑)」
アルセスト 「以下同文(笑)」
サライ 「いや、可哀想だから、竜になったらビビってあげるね(笑)」
マナレス 「ぬっ!サライ! ちくしょ~!!(泣)」
ダグラス 「…で、我々は<フレイムマスター>を取り戻すという使命感にあふれているワケだよね、一応」
アルセスト 「みちあふれてもれちゃったの? 先っちょから(笑)」
サライ 「ドラゴンスレイヤーが、なんかスゴい下品になってるぅ~」
ダグラス 「じゃ、ま、そ~ゆ~事でまずは魔剣を取り戻さなきゃいけないと。で、そのためには敵の明確な場所を特定しなきゃいけないと」
GM 「それはもう、ルリメラの本拠地は大クレーターっていう有名な所だから。その大クレーターのど真ん中にある、巨大な塔に住んでると」
アルセスト 「いや、だから直接対決はキツいぞ」
GM 「ラフィーネ曰く『かなり高レベルの魔導師ですよ』まあ、最低でも10レベルはあると考えてちょ」
マナレス 「だって、ヘタしたら“死霊の王”より強いんじゃないか?そんな事はないか?」
GM 「ん~、てゆーか、いつでもなろうと思えばなれるよ。ただなる気が無いだけで」
マナレス 「話せば話すほど絶望的じゃないか…」
サライ 「で、むこうは<フレイムマスター>持ってるしね…」
GM 「そう、だからまともに戦っても、勝ち目はないね(キッパリ)。それにルリメラだったら、封印がとけて少し強くなった<フレイムマスター>でも使いこなせるんじゃないか…とラフィーネ談」
マナレス 「…ハァー…ため息しか出てこない(笑)」
ダグラス 「…状況は本当に絶望的だな…」
一同 「……(沈黙)」
アルセスト 「関係ないけどさ、ベルヴェイグを仲間に引き入れられないかな? 例えば<フレイムマスター>をエサにしてさ」
GM 「確かにベルヴェイグも<フレイムマスター>を狙っているわけだけど、はたして人間と手を組むかどうか…」
アルセスト 「どーなってるか情報は得られないのか、竜達の?」
GM 「それはもうラフィーネがわかるよ。<ナリトの大賢者>とか自分で勝手に名乗ってるから(笑)」
マナレス 「あ~、後で絞め殺してやるよ(笑)。ほんで情報は?」
GM 「『さっきのアルセストさんの言った案、いいですよ』」
マナレス 「なに?どーゆー事?」
GM 「『ベルヴェイグは無理にしても、他の善竜を味方につければなんとかなるんじゃないですか』」
ダグラス 「あ、そうか!その手があるか!」
アルセスト 「やば~(笑)」
GM 「少なくとも今伝わっている五大竜の中で、一番人間寄りなのは<神竜キンツェム>だね。こいつは古代帝国期の邪竜と人間との戦いでも、人間側に味方してくれた竜だからね」
ダグラス 「(アルセストの肩を叩きつつ)さすがリーダー、いい事言う!」
GM 「『で、最悪なのは<竜王ブリガディア・ジェラード>なんだけど…』」
ダグラス 「(ボソっと)アイスクリームの名前?」
GM 「違う!『こいつはベルヴェイグよりも力が上で、神として崇められてたんです。竜族との戦いで、人間と共に戦ったんだそーです』だけどこいつは基本が竜族だし、人とも敵対にあると」
マナレス 「(突然)俺どれよ(とごくまじめに竜一覧を見る)」(一同失笑)
GM 「…で、このジェラードは味方になってくれるかどうか分かんないけど、ベルヴェイグが敵にいるっつーんだったら、こちらに協力してくれる可能性もある」
アルセスト 「う~ん、でもドラゴンスレイヤー(予定)としては気にくわんアイデアなんですけど」
ダグラス 「その辺は結局どっかで妥協しなきゃいけない部分だから…つまりあくまで仮の共同戦線を張ればいいわけだろ?」
アルセスト 「そう、敵を倒したあとで味方を背中からバッサリと(笑)」
ダグラス 「お前なぁ~」
マナレス 「とりあえず、キンツェムを味方につけるとゆ~事か?」
GM 「それが一番手っとり早いね」
アルセスト 「じゃあ、とりあえず仲間に引き入れといてソンはないし、そーしよう!」
マナレス 「(ラフィーネに)で、どこに住んでるんだ?」
GM 「『それがわかっていればねぇ~』(笑)」
アルセスト 「クゥゥゥ~ガァァァァ~!!!(怒) このアマぁぁ~!それを早く言えよ、それを!!」
GM 「それは大丈夫。今、彼女不敵な微笑を浮かべてるよ(笑)。『私は知らないんだけど、<古代帝国最後の皇帝>ミディール・ダイノスの霊なら知ってるかも知れない』 ま、古代帝国最後の皇帝だから、竜族でもお知り合いだったろうしね」
マナレス 「あの一番最初に出てきた幽霊でしょ!? 俺たちコネクションだけはすごいんだなぁ」(一同笑)
アルセスト 「じゃあ行く、行った」
GM 「ま、3日ぐらいかな、とりあえず着いたよ」
マナレス 「おっさぁ~ん、おっさぁ~ん、おっさぁ~ん…」
GM 「『おっさんじゃねえ!』と言って現れたよ(笑)」
アルセスト 「ちょっと待て!キンツェムの居場所を聞く前に、俺は個人的に用があるんじゃ!」
GM 「幽霊は『なんじゃ!?』っつっとる」
アルセスト 「おい、クソじじいっ!! 貴様、<世を制す宝>を手に入れれば、プリウェンが生き返るっていってただろが!どういう事だ、あぁぁ~ん!!!?(マジギレ一歩手前)」
GM 「『あ~、あれか…あれはウソじゃ』(笑)」
アルセスト 「(ブチッ!)あぁぁ~!!ウソですむと思ってんのかっ!!!この神殿ごと燃やして昇天させてやるっ!!!」
マナレス 「…まぁまぁ、ここは押えてさぁ。で、話を戻して『実はかくかくしかじか、こ~ゆ~訳で、お知恵なりとも拝借できないでしょ~か?』」
GM 「『なるほど…うーん、確かにキンツェムが姿を隠す直前までは一緒にいたんだがなぁ…。今の居場所となるとさすがに…』」
サライ 「じゃあ、その姿を隠す直前までの居場所は?」
GM 「まあ<フレイムマスター>の力を使って<ベルヴェイグ>を封印した後、彼女は勝手にどっかへ行っちゃったと」
マナレス 「それじゃあ、わからないじゃないか。もっと詳しい情報は…?」
GM 「『彼女の親友であった、ナグルファル皇帝なら分かるかも知れん』」(一同笑)
アルセスト 「ちょっと待てや! 俺達は、役所でたらい回しにされてる市民じゃねぇんだぞ!!(怒)」
マナレス 「で、そのナグルファル皇帝ってのは?」
GM 「セージチェックは必要ないね。言わずと知れた<古代帝国の始皇帝>だ」
マナレス 「で、その皇帝は今生きてるわけないし…幽霊なのか、また?」
GM 「そーだよ(笑)」
アルセスト 「≪ターンアンデット≫かけてやろうか!」
マナレス 「君らは幽霊同士でお食事会でもしてるのか?」
GM 「『肉体は滅んでも、精神は生きるのだ』」
マナレス 「わかった。で、その皇帝はどこに居るんだ?」
GM 「『<カタロニア古城>の<王家の塚>の中にいるだろう』」
マナレス 「わかった。実は皇帝、僕は君の力を知っている。ここでパシューンと≪テレポート≫の呪文が…」
GM 「『とりあえず、連絡はまわしといてやる』」
マナレス 「そんな事言ったって遠いんだよ。我々徒歩なんだぞ、しかも」
GM 「『徒歩ぉ~!? 金ぐらい無いのか?』」
マナレス 「じゃ俺の呪いを解いてくれ。ドラゴンになってひとっ飛びだ!」
GM 「『ふ~ん、呪い?…たしかに呪いはかかってそうだけどな』」
アルセスト 「脳ミソに呪いが?(笑)」
マナレス 「なんだと!? 今のはリーダーだからって聞き捨てならないぞ!」
サライ 「まあ、まあ。呪いがかかっていたとして、なに言ってんの?」
GM 「『ちょっとワシには厄介なものだな。お前の様なヤツはワシには扱いきれん』」
ダグラス 「(ボソっと)見捨てられてるよ…」
マナレス 「く、くそ~(泣)」
GM 「『交通手段が無いのなら、ワシが融資してやろうか?』」
マナレス 「(!)やった!! やっぱ持つべき者は皇帝だよ!」
GM 「『年利3%だぞ』(笑)」
マナレス 「おっさん!俺らは世界救おうとしてるんだぞ、世界を! だから細かい事言っちゃダメだって」
アルセスト 「魔剣か何かないのか? 『お前らにこの剣を託そう』みたいな(笑)」
ダグラス 「それは本末転倒だ、バカ!それが<フレイムマスター>だったんだよ!」
マナレス 「…あ! おっさん<フレイムマスター>奪われたって知ってる…?」
GM 「『……』とまった(笑)」
マナレス 「(ゲシゲシ入るツッコミ)いていていてっ(笑)」
ダグラス 「お前、なに口滑らしてんだよっ!」
GM 「『まあそれはわかっていた事だからしょうがないが…奴が魔剣を悪用する前に必ず取り戻してくれ。頼んだぞ』」
マナレス 「それより金だよ、金!」
GM 「(こいつも…)それじゃぁ金貨一万枚をくれたよ」
一同 「おぉ~!(感嘆)」
アルセスト 「魔剣が買えるじゃん、一万枚ピッタリで(笑)」
ダグラス 「最低だなこの男…。すいません、悪いですけど俺ここでこのパーティーから抜け出したいんですけど」
マナレス 「え?どーして?何で?」
ダグラス 「このリーダーにはちょっとついていけない所が…(一同笑)」
アルセスト 「いやいや、ちょっと待てや~。お前に抜けられたらど~したらいいんだ?」
サライ 「その通り。(アルセストに)だからあんた一人抜ければすむわけでしょ?(一同拍手)」
アルセスト 「お、お前ら~!!!」

とゆー事で、一行は皇帝から借り受けた金貨一万枚で4頭立ての馬車を購入。カタロニア古城を目指して出発したのであった。

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