第1章

The Dragon in The Sword

第一節 世を制す宝を目指せ!

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GM 「それじゃあ始めよう。君達はアブグアル王国にある、小さな公国ナリトの首都を本拠地として、冒険をやっているワケだ。まぁ公国では知らない者がないという程、名が売れている」
アルセスト 「ま、ドラゴンスレイヤーだし当然だな」
GM 「まだ倒してね~じゃねぇか。…で、このナリトっつうのは人口一万人くらいの街で、山がちな所にあるくせに経済的に非常にうるおっていると」
アルセスト 「なぜよ?」
GM 「なぜかというと、この中央山脈の鉱山から採掘される金とかダイヤモンドとか、そーゆー貴金属のおかげで、非常にもーかっているからなの」
ダグラス 「じゃあなに、鉱脈が途絶えたら、一気にどん底に落ちるような国なんだね?」
GM 「そう、鉱脈がなくなると消えてしまう街。まぁ、ようはアラブなんかと同じだね」
ダグラス 「まあ、ダイヤモンド成金てとこだね、この辺は」
GM 「まあそんなワケで、公国に住む人々はそれなりに平和に暮らしてるワケなんだけどね、ところが最近きな臭い噂が流れちゃってるんだよね」
ダグラス 「どこぞの国が戦争でもおっぱじめるとか?」
GM 「まぁそれに近いね。(地図を指しつつ)実は最近ナリトの国境付近で暗黒神の信者どもがうろちょろする様になったんだよ。で、どうやらその裏で手を引いているのがガダン・アルスという名の暗黒教団の司祭長らしいんだよね」
マナレス 「なんでそんなヤツらが国境付近なんかにきちゃってんの?」
アルセスト 「戦争に備えて、正確な地図でも作ろうとしてんじゃないのか」
GM 「さあね。とりあえずそんな状況があるって事は覚えといてよ」
一同 「わかった」
GM 「んじゃあ、みんなは冒険者の典型的パターンで、ひまな時には酒場でたむろってると。今はちょーどお昼くらい」
アルセスト 「親父、彼女に酒をくれ!(と盾を示す)」
GM 「か、かのじょぉぉ~?(笑)。あ~でも、常連さんだからなぁ。『ほらよっ』って酒を出してくれたよ」
アルセスト 「『ほら、おいしいかい』ポタポタポタ(と盾に酒をたらす)(笑)」
ダグラス 「ヤ、ヤバ過ぎる…」
マナレス 「あ~、これだから妄想君は」
アルセスト 「なんだと、お前こそ妄想君じゃないか!(怒)」
ダグラス 「うわ~、なんか変なのと組んじゃったよ(笑)。もっと早く気づくべきだったかなぁ」
サライ 「もう遅すぎるよ、私達…」
GM 「でね、君達がそうして皆でだべっていると、丸メガネをかけたみつあみの少女が酒場に入ってきた。彼女はラフィーネという名の有名な学者さんで、何度かみんなと一緒に冒険したこともある」
マナレス 「いやぁ~、僕の好みだなぁ~」
ダグラス 「あぁ~!? お前竜のくせして、人間が好みなのかよ!?」
マナレス 「いや、人間になったから人間界のこと研究してるんだよ。デーモン小暮みたいに(笑)」
アルセスト 「(お前は人間じゃなくて、エルフだろが!)…で、そのラフィーネって学者は、何の用なんだよ」
GM 「『実はすごいもの見つけちゃったんですぅ。見てくださいこれを!』と言って持っていた古文書を見せる」
ダグラス 「すごいものねぇ…あんまり興味がないんだよね、オレは」
サライ 「とりあえず、古文書を見せてもらってから考えましょ。たぶん下位古代語かなんかで、書いてあるんでしょ?」
GM 「うーん、下位古代語っつーか、それよりも複雑な言語で書かれていてよく分かんない。ちなみにセージ技能持ってる人は?」
一同 「………」
ダグラス 「誰も読めんのかぁ~!?」
アルセスト 「いや、ほらドラゴンなら(笑)」
マナレス 「え? ドラゴン…も、もちろん読めるさ…でも今ちょっと呪いのせいでね、忘れちゃったんだよ」
サライ 「バカ2号って頭悪いねー(笑)」
マナレス 「あ~くそ、むかつくぅ~」
GM 「『フッフッフッ~、これになんて書いてあるか解んないでしょ~』」
マナレス 「このアマァ!(怒)」
サライ 「じゃあ胸ぐらをつかんで『教えなさい!』」
GM 「『ヒェ~、これ、まだ上位古代語なんかが完成する前の、古代帝国初期のものらしいんです~』と言っとる」
アルセスト 「なるほど、さらに古いわけか」
マナレス 「あ~、懐かしいねぇあの頃が(笑)」
ダグラス 「なにか思い出があんのか?」
マナレス 「あるさ、昔は仲間達と共に大空をかけ巡ったもんさ(一同爆笑)」
サライ 「じゃあ、なんでバカ2号読めないのよ?」
マナレス 「今思い出せないだけなんだよ。黙ってろよ、このハーフエルフ!」
サライ 「(急にドスがきいた声で)なにぃ? この私とやるって言うの?」
マナレス 「い、いや、待て待て。きみ、魔法は無駄使いしちゃダメなんだよ。今マナは減りつつあるんだから(冷汗)」
アルセスト 「情けねえドラゴン…。ちなみにラフィーネは、その古文書読めるのかよ?」
GM 「『それはもう日夜研究を続けてきましたから』と言って、自信満々に読み始める。『遥かなる時の彼方、ルガーナを切り裂くものが現われし後のこと。生命の生まれし深き闇の中、光の神いただきに立ち、光の矢を放つとき、光の弓が現われ、大いなる道開かれん。古き闇の果てに<世を制す宝>ありってなもんよ~』(笑)」
アルセスト 「すげーじゃん」
GM 「『まぁ、最後の部分ちょっと分かんなかった所あるけど…』(笑)」
マナレス 「たよりないなぁ」
ダグラス 「なるほど。つまり君はその宝が欲しいんだね、純粋な意味で」
GM 「『うん。<世を制す宝>なんて、やっぱ興味あるじゃない。魔法帝国期にこんな書かれ方をしてるって事は、とんでもないアイテムだと思うよ』」
アルセスト 「またさぁ、F・FIIのアルテマみたいに、ボロい魔法が見つかるだけなんじゃねーか?(笑)」
マナレス 「ラフィーネが我々に紹介する仕事って、そんなんばっかな気がするぞ~(笑)」
GM 「『う~、今度は大丈夫だって。これちゃんとした古代遺跡で見つけたものだから』」
ダグラス 「あんたのちゃんとしたってのは、いまいち信用できないってのが、なんともいえないんだけどなあ(笑)」
GM 「『うっ』」
マナレス 「で、話を戻すけど、その<世を制す宝>っていうのはその遺跡にあるのね? じゃあ、我々はその遺跡に向かって行きゃあいいのか?」
GM 「いや、遺跡にあるというわけじゃない。彼女は<トレントの森>の中に、まだ荒らされた事のない古代帝国期の遺跡を発見したの。で、入口近くの部屋で、この古文書を手に入れたんだと。ところが奥の部屋へ行こうとしたとたん、とてつもない恐怖感に襲われて、逃げ出してきたとゆーことだ」
ダグラス 「無謀すぎるぞ、この女(笑)」
スティーブ 「ちょっといい? もしかしたら暗黒神の信者達は、その遺跡を探してるんじゃないのか?」
サライ 「(やっと喋ったか)あ~なるほど。(地図を見ながら)確かにその遺跡って国境付近にあるしね」
ダグラス 「って事は、暗黒教団がその<世を制す宝>を狙ってるワケだろ。さすがに宗教団体と敵対するのはまずいんじゃないか!?」
アルセスト 「い~じゃねぇか、べつに。俺はプリウェンちゃんがいれば無敵だから」
マナレス 「そ~ゆう問題か!?」
アルセスト 「ってゆーか推論に過ぎないんだから、ガタガタぬかしてもしょ~がないやん」
GM 「で、遺跡をさらに探索すれば、もっと何か分かるかもって、彼女は考えたわけだ。そんでみなさんに『私一人じゃ危険だから、一緒に遺跡探索につきあって欲しいのよ』と言ってきたの」
アルセスト 「いやダメだ。オレは女は嫌いなんだ! 女はこのプリウェンちゃんだけで十分なんだよ。ナデナデナデ(と盾をなでる)(笑)」
サライ 「バカ1号はどっか行ってなさい!」
ダグラス 「こいつリーダーにして、失敗したかもしんない…」
アルセスト 「あ~、でも、もしかしたらそのお宝で、プリウェンちゃんが生き返るかもしれないなぁ、という邪念が(笑)」
マナレス 「こ、こいつ、個人プレーに走ってる。…いや~、でも僕も呪いが解けるかもしれない(笑)」
ダグラス 「あ~、すげー失敗した…」
GM 「じゃあね、『でも<世を制す宝>ってくらいだから、呪いぐらい解けるかもしれませんよ』とラフィーネは言ってるけど」
アルセスト 「な、なにぃ~っ!? 本当か、それはっ!!?」
ダグラス 「いきなり目つきが変わってるぞ、お前ら(笑)」
サライ 「邪念のかたまりだね」
アルセスト 「んじゃあ、遺跡に行くか。『ドラゴンスレイヤーに不可能はない! みんなついて来いっ!!』」
サライ 「あ~、はいはい。しょーがない、みんな行こう」
マナレス 「歩いて行くのか。めんどくさいねぇ」
アルセスト 「だったら変身しろよ、ドラゴンに(笑)」
マナレス 「出来たら苦労しないんだよ。いつか見てろよ~、いつかな」
アルセスト 「あ~オレも大空を駆け巡ってみたいなぁ(一同笑)」
マナレス 「う~、妄想君はその盾と話してりゃいいんだよ、盾と!」
アルセスト 「ま、いつかね、こいつを倒してドラゴンスレイヤーになる日も近いよ(笑)」
マナレス 「何を言う。僕の炎でひとふきよ。いっとくけど昔、炎で人間の街滅ぼした事あるんだから(笑)」
ダグラス 「…で、とりあえずこの二人おいて、さっさと行くから(笑)」

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